精子も精液も性欲も増す亜鉛
「英雄、色を好む」という言葉があります。歴史上の英雄たちは、みんな性欲が強かった事を表しています。
牡蛎の薬効について、おそらく初めて記録されたのが、約2000年前に編纂された「神農本草経」で「胃酸過多や無精に効果がある」と書かれています。
その他の漢方の古典書にも、牡蛎が精力回復に著しい効果のあることが書かれています。
牡蛎の持つ強精効果が、最近の研究によって科学的に証明されるようになってきました。
牡蛎が精力の増強に効果があるのは、主に亜鉛とアミノ酸(たんぱく質を構成する成分)の働きによるものです。
牡蛎には、亜鉛が100g中に40mgとほかの食品に比べてズバ抜けて多く含まれています。
亜鉛は、欧米では「セックスミネラル」と呼ばれ、精子の製造や、性ホルモンの分泌、前立腺の働きの改善を促して、精子と精液を増やし、精力そのものを強める働きを持っていることで知られています。
アメリカで、亜鉛の摂取量と精子数との関係を示す興味深い研究が報告されています。
この報告によれば、1回の射精で、平均4億1000個の精子を射精する男性5人に対して、亜鉛の摂取量を減らした生活を約1か月続けさせたら、なんと精子数が5400万個にまで減少したというのです。
その後、亜鉛の摂取量をアメリカで成人男性に必要な量とされる1日15mgに戻したら、約1か月で精子数は4億1600万個に回復しました。
加えて、精子数だけでなく、精液の量も増えたこと、精液1ml中の精子数も増えたことも報告されています。さらに亜鉛は精子を増やすとともに、性欲を増したり男性器の充血度そのものを強める性ホルモンの分泌を増やします。
そのため、欧米では、亜鉛がインポテンツの治療にも使われ、治る人が多数報告されています。